ピッキング被害は激減しましたが、侵入犯罪は激減していません

新年度を迎え、新しい土地で生活を始めている方も多いのではないでしょうか?
先日、このような記事が出ました。

ピッキング被害が激減、ピーク時の40分の1に 特殊な工具をカギ穴に差し込んで開錠する「ピッキング」による窃盗被害が終息に向かっている。
外国人窃盗団がこの手口で空き巣を繰り返し、2000年には被害が全国で約3万件に上ったが、昨年は700件余りと、ピーク時の40分の1に。
ピッキング防止法の施行や、防犯性に優れたカギの普及が封じ込んだ形だ。
ただ、窓をこじ開ける別の手口に移行したという見方もあり、警察当局は警戒を続けている。
ピッキングの被害が急増し始めたのは1999年。
もともと、鍵を紛失した際に業者が使っていた方法だったが、これが中国人窃盗団などに広がった。
窃盗団のアジトからは、練習用に使っていた複数のカギ穴なども見つかった。
00年の被害件数は、2万9211件に上り、特に東京都内では約1万1000件と全国の3分の1以上を占めた。
4月7日14時36分配信 読売新聞 CP錠の普及や、様々な啓蒙活動の結果、ピッキングによる侵入犯罪が40分の1にまで減ったようです。
しかし、以下の資料を見てください。
これは大阪府警の発表した重要窃盗犯の年次推移表です。

ピッキング犯罪がピーク時の2.5%にまで減少したのにも関わらず、侵入犯罪全体では、ピーク時の57%(ピッキングピーク時の平成12年と比べると70%)にしかなっていません。
これは、ピッキングに代わる他の手口が増えたためです。
それでは、どのような手口が多く、また、その対策はどのようにすれば、よいのでしょうか?

1.バールこじ開け ドアと受けの間の隙間に、バール等の工具を差し込み、無理やりドアを開けてしまいます。
ピッキングのように技術を習得する必要も無く、短絡的に犯行に及ぶ事が出来るので、普及しているようです。
対策としては、補助錠の設置によって、こじ開けの時間を稼ぐ方法。 また、「ドアプレート」という器具を設置し、こじ開けに必要な、ドアとドアの受け側の隙間を小さくするなどの対策が有効です。

2.窓からの侵入 実は、ドアからの侵入よりも、窓からの侵入の方が多いとの調査結果もあります。
バールこじ開けと同様、ただ破壊するだけなので、普及したようです。
マンションであれば、廊下側の窓はもちろん、また非常階段や雨トイを登る、さらに屋上から下って、ベランダの窓から侵入しようと試みます。
戸建であっても、はしごを使って、2階から侵入する。他にも物置や車に乗って、とにかく入りやすい窓から侵入してきます。
窓用の防犯対策としては、防犯フィルム、補助錠、振動センサーなどがあります。
価格や手間の面を考えても、最低限、窓用の補助錠は取り付けておきたいものです。
また、振動センサーなど、特殊な機器を設置する際には、必ず、専門家にお問い合わせください。

3.無締り そもそも戸締りをしていない、その隙に侵入を許すことがあります。
ちょっと、ゴミを捨てに行く、新聞を取りに行く、お隣さんに用事がある・・・ そのチョットの隙を、侵入犯罪者は観察しています。
隙を作らない。これが、防犯対策の基本です。